3C分析とSWOT分析を実践する

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- 投稿者:WTE運営事務局
- カテゴリー:WEBマーケティング
今回は「リサーチ」で得た自社の強みをさらに効果的なものにするために、「3C分析」と「SWOT分析」という手法を紹介いたします。
少し難しそうな名前で抵抗を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、実はどちらも簡単に行え、「自社の強みが市場においてどのように機能するのか」を知るためにはとても有効な手法です。実際、私がHPを作成するときには必ずこれらの分析を行っています。
以下、具体的なやり方を紹介させていただきます。
3C分析のやり方
3C分析の「3C」とは、「市場、顧客(Customer)」、「競合(Competitor)」、「自社(Company)」の三つを指します。
すなわち「3C分析」とは、自社サービスに関する要素をこの三つに当てはめていく作業をのことです。
たとえば、弊社が動画研修のPRサイト制作に3C分析を用いる場合を考えてみましょう。
まず「市場、顧客(Customer)」には以下のような要素が考えられます。
- 動画の研修市場は伸びている
- 国や企業が生産性向上へのIT活用に力を入れている
- 企業のWeb活用の必要性が普及している
- Webマーケティングのノウハウが飽和している
市場を見ると、成長中で参入のチャンスが見られる一方、「Webマーケティングのノウハウが飽和している」ことを考えると、競争は厳しそうだという分析が可能です。
次に「競合(Competitor)」には以下の要素が考えられます。
- ビジネス動画研修サービスの増加
- 研修動画のYouTubeなどでの無料シェア
- 有名マーケターによるライブ配信の増加
- Skypeなどを使った安価なWebコンサルの増加
競合が具体的にどんなことを行っているのかということが分析できます。
最後に「自社(Company)」を見てみます。
- Web制作やWebマーケのセミナーを毎月開催している
- 自社のWeb制作の成功事例が豊富
- 制作後の集客面のノウハウもカバー
- 中小企業へのWeb支援実績が豊富
- 公的支援制度活用の提案を行っている
このように弊社が持つ強みを上げてみました。自社の強みを上げることで、先ほど見た「競合」と差別化できる点を可視化することができます。
SWOT分析のやり方
続いてSWOT分析の方法を紹介いたします。
SWOT分析は、「強み(Strength)」、「弱み(Weakness)」、「機会(Oppotunity)」、「脅威(Threat)」の頭文字を取って名付けられました。
こちらも3C分析と同様にそれぞれに当てはまる要素を挙げてみます。まずは「強み(Strength)」です。
- Web活用の成功事例が多数
- コンサルタントによるセミナー
- 制作、集客のノウハウが豊富
- 中小企業向けに経営支援コンサルを行っている
こちらは3C分析の「自社(Company)」と重なる部分が多くなりますが、他の3要素との関係を見ることで新たに戦略を立てられるようになります。
では「弱み(Weakness)」を見ていきます。
- YouTube動画に関するノウハウがない
- 著名な人材を抱えているわけではない
- B to Cは不得意
トレンドであるYouTube市場や、B to Cが苦手であるという弱みが可視化されました。そうであれば、それらの要素に関係する需要は切り捨てて、他の戦略を立てるといったことが考えられます。
新たな戦略を立てるためにも、「機会(Oppotunity)」を見ていきましょう。「機会」というとわかりにくいかもしれませんが、これは「自社に有利な情報」と言い換えてもかまいません。
- 動画研修市場は拡大している
- IT活用が普及している
- 企業のWeb活用の必要性が高まっている
- 採用部門でのホームページの需要が増加している
このように、自社サービスを売り出すのに有利な情報を可視化します。
最後に、「脅威(Threat)」を見てみましょう。
- YouTubeの無料動画の流行
- 著名マーケターの動画やビデオチャットの普及
- Webセミナーの競合が多い
自社サービスを売り出すにあたり、障壁となるような要素を書き出していきます。
分析結果から戦略を立てる方法
ここで、「弱み(Weakness)」と「脅威(Threat)」を掛け合わせてみます。
すると、「弱み(Weakness)」である「YouTube動画に関するノウハウがない」、「著名な人材を抱えているわけではない」ということと、「脅威(Threat)」の「YouTubeの無料動画の流行」、「著名マーケッターの動画やビデオチャットの普及」が重なっていることがわかります。
つまり、YouTubeや著名なマーケッターを生かした戦略は切り捨てた方がいいということがわかります。
次に、「強み(Strength)」と「機会(Oppotunity)」を掛け合わせてみると、「Web活用の成功事例が多数」、「中小企業向けに経営支援コンサルを行っている」といった「強み」が、「企業のWeb活用の必要性が高まっている」、「採用部門でのホームページの需要が増加している」など、市場に生かせる「機会」と相性がよさそうだということがわかります。
したがって、切り捨てるべき戦略を把握した上で、効率よく強みに特化することができるわけです。
たとえば弊社ではYouTubeや著名マーケターを用いた集客戦略は取らず、すでにパートナーネットワークが出来上がっている中小企業にビジネスを展開する、といった戦略が考えられます。
このように、自社の強みや弱み、市場の動向を可視化することでより具体的な戦略を立てられるようになります。
「3C分析」、「SWOT分析」と聞くと難しそうなイメージがあるかもしれませんが、要素を書き出すだけでこれまで見てきたような戦略を立てられるようになるので、ぜひ試してみてください。