「スクールインタビュー:オンライン家庭教師まなぶてらすの坂本代表に聞いてみました」
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- 投稿者:森山 卓
- カテゴリー:オンラインスクールインタビュー
成功しているオンラインスクールはどんな運営をしている?
運営されているのはどんな方?
これまでどんなことをしてきたの?
を直接聞いていきたいと思います!
株式会社ライトアップの森山(@wu_moriyama)です。
今回は、オンライン家庭教師サービス「まなぶてらす」を運営する、株式会社ドリームエデュケーション代表の坂本七郎社長にお話を聞きました。
▼オンライン家庭教師「まなぶてらす」
https://www.manatera.com/
▼株式会社ドリームエデュケーション
https://www.dreameducation.co.jp/
もくじ
自分が「こうあるべき」と信じている教育の形を作れたら
(森山)
今日はよろしくお願いいたします。
まず、まなぶてらすを立ち上げようと思ったきっかけをお聞かせいただけますか?
(坂本)
元々、「オンラインの塾を立ち上げたい」という思いがありました。
ただ、自分一人で多くの生徒さんを教えるのも限界があるとも思っていて・・・。
それであれば自分一人ではなく、全国から優秀な先生を採用し、自分が「こうあるべき」と信じている教育の形を作れたらいいなって思ったんです。
生徒さんがどこに住んでいても受けられるような仕組みも欲しかったですし。
そこで、プラットフォームのようなものを作れないかな?って探していたところ、たまたまWTEさんのセミナーに参加させて頂いたんですよね。
(森山)
なるほど、じゃあちょうど考えていた時に、弊社セミナーがあってよさそうだなと感じていただけたと・・。
(坂本)
そうですね。
あ、これだったらもしかしたら自分の考えている形で、プラットフォームを立ち上げられるんじゃないかと。
一からシステムを作るのって、大変じゃないですか。
サイトを立ち上げて、システムを開発してっていうのは、値段的にもかなり掛かりますし。
そういったところで考えると、これだったら自分の考えに近いものができるんじゃないかなって思いました。
(森山)
ありがとうございます。
では、リアルな教室じゃなくて、オンラインがよかった理由はあるんですか?
(坂本)
元々、全国の小中学生の保護者に、受験指導や、自分で執筆した教材の販売をインターネットでやっていたので、その流れでオンライン上でのビジネスはしやすかったんです。
オフラインの教室を立ち上げるってなると、どうしてもその地域の特性を考慮しなければいけないですし、固定費もそれなりにかかります。
それであれば、慣れているオンライン上で何かサイトサービスを立ち上げたほうが自分に合ってるんじゃないかなって思いました。
(森山)
うんうん、なるほど。
元々の仕事と合ってたんですね。
働き方的なところではどうですか?
(坂本)
それもあります。
子どもが小さかったってこともあって、家の近くで働いて、何かあった時にすぐ帰れたりする環境の方がいいなと思っていました。
明確な理念をつくったことで共感してくれる方が集まった
(森山)
実際に始めてみて苦労したことや難しいなって思ったことってありますか?
(坂本)
難しいと思ったこととしては先生の採用に関して・・・結構ありましたね。
面接の30分で判断できないことって沢山あります。
だから、なかなか採用が思うように行かなかったっていうのはあります。
応募はたくさんあったんですが、その中からまなぶてらすの理念に合った先生を選ぶのは苦労しました。
その後も、先生たちのコミュニティも作ったりして、最初の方はその中でトラブルなんかもありまして。
でも、まなぶてらすらしさというものを推し進めていったことで、だんだんと文化が作られていきました。
(森山)
そうですよね。
私もまなぶてらすさんを見ていて、講師さんとの関係性は強いなと感心します。
コミュニティもそうなんですが、SNSやメルマガを見ていても感じます。
ここまで作るのって結構時間がかかりましたか?
(坂本)
そうですね、時間がかかりました。
単純にオンライン家庭教師をはじめましたっていう形だと上手くいかないんじゃないでしょうか?
うちの場合、明確にこうあるべきという教育の理念がはっきりしていました。
これまで、一般的な家庭教師サービスは教材費が高かったり、先生との相性が合わないときにもすぐに交代してもらえなかったり、受講回数の増減も気軽にできない、辞めたくてもなかなか辞められないなど不便な点がたくさんありました。
そういうビジネスのあり方にも疑問を持っていました。
もうちょっと、利用する生徒さんの自由度が高く、先生たちも自分の強みとなる指導科目や、教え方も尊重しつつ、良い点を出せるような形でプラットフォームを設計できないかなと思い、サービスを形づくっていったんです。
そうしたところに共感いただき、「こんなサイトを探していました」とか「まなぶてらすが好き!」「ここで教えたい(学ばせたい)」って言っていただける先生、保護者が増えていったんじゃないかと思います。
(森山)
それはすごく分かります。
弊社のワールドトークでもしっかりミッションを作って、それを講師に共有したり。
先生や生徒さんとのやりとりを通しても、サービスに愛着を持ってもらえるように努力しています。
そういうのがサービスの魅力に繋がっていくと思います!
(坂本)
明確に出していかないと、ここはどういうところなのかが分からないですからね。
難しいからこそ楽しいしやりがいがある
(森山)
では、実際にスクールを運営して楽しいと思えることや、やりがいを感じている点はありますか?
(坂本)
そうですね。
元々自分自身の特性として、自分で何か企画を考え、仕組みを作って、検証していくっていうことをするのが好きなんですよね。
元々の自分の特質に合った仕事をやっているので、スクール運営は全く苦にはならないし楽しいです。
ただ、自分だけじゃなくて、お客さん、先生、社会、色んな分野にどういう影響を与えるのかっていう責任もありますので、その分は難しいんですけども。
まあ、難しいからこそ楽しいし、やりがいがあるんじゃないかなと思います。
(森山)
そうですよね。
自分で責任を取るのは大変ですが、充実感はありますよね。
自分で気づくというのはすごく難しいんです
(森山)
それでは、これまでやった施策について聞きたいんですけども。
集客とか採用とか色々する中で、あまりうまくいかなかったなっていうことありますか。
(坂本)
小さな失敗はたくさんあるので、あんまり覚えてないんですけど、難しいなと感じているのは集客と会員サポートなのかなと思っています。
先生は集まっても、生徒さんに、まなぶてらすを知ってもらい、登録してもらい、先生を見つけてレッスンを受けてもらうっていういくつもの壁があります。
そういった壁をスムーズに突破してもらえるよう、小さな改善を重ねていく必要があります。
自分で気付いてないだけで、本当はもっとここはこういう風にしたほうがいいっていうのはあると思うんですけど。やっぱり、自分で気づかなきゃいけないっていうのはすごく難しいんですよ。
だから先生たちやお客様も含めて、第三者の意見も積極的に取り入れながら試行錯誤しています。
そして、毎日数百のレッスンを実施していますので、ときどきお客様からお叱りをいただくこともあります。
そうしたときに保護者とお子さまの気持ちをしっかり受け止め、理解をして寄り添うことが必要です。
こうしたときはできるだけ一人だけで判断せず、チームでお客様の気持ちを考え、ていねいに対応することがとても重要だと思います。
(森山)
お問い合わせ対応とか坂本さんが全部されてる感じですか。
(坂本)
今は全部ではなく、手分けをしてやっています。
(森山)
先生と生徒さんでトラブルになることはありますか?
(坂本)
はい、先生と生徒のトラブルっていうのはたまにあります。
思春期のお子さんを相手にしていると、反抗期だったりすることもあるので。
でも、特に多いのはその保護者と先生とのトラブルですね。
例えば英会話だと、レッスンを受講する生徒がお客様になりますが、家庭教師サービスだと普段はお話しする機会があまりない保護者との関係が大事になります。
ワンクッションが入る分、保護者とのコミュニケーション不足が起こりやすいんです。
伝えたいことと、伝わったことが違ってしまったりしてトラブルになることは非常に多いんです。
保護者と、先生とのコミュニケーションを運営でも密にとって進めていくっていうことがすごく大事です。
(森山)
うーん、確かにそうですよね。
おっしゃるとおり、ほぼ全ての生徒さんに保護者がいますね。
(坂本)
そうですね。
その辺は、お子さま向けに教育関係の仕事を始める際に意識しておかないといけないです。
生徒さんとのコミュニケーションは授業で密に取れますが、保護者とのやりとりもすごく大事です。
お母さんもすごく真剣に悩まれることが多いです。
むしろ、自分自身のこと以上にいろいろなプレッシャーを感じていたりとか。
そういうのも関係しているので保護者とのコミュニケーションっていうのをすごく大切にしていますね。
例えば子供がひどいことを言われたとしたら、保護者もすごく傷ついてしまいますし。
(森山)
なるほど、保護者が真剣な分、コミュニケーションは重要なんですね。
運営者はある程度ゼネラリストにならないと
(森山)
それでは、逆にうまくいった施策についても教えて頂けますか。
(坂本)
スクール立ち上げ前から、教育関連のビジネスをしていたのでお客さんの層が一緒でした。
そこで新しいサービスの紹介ができたので、立ち上げはしやすかったです。
それと、私も子を持つ親でもありますので、保護者の気持ちがある程度分かります。
こういう学びの場があればいいなって。
親として感じていることをサービスに反映できたこともうまくいった点だと思います。
もし、親としての経験がなく、このサービスをはじめていたらうまく行かなかっただろうなと思います。
(森山)
わかります。
親を経験する前と後だと、全然ものの見え方が違いますよね。
(坂本)
あとは、メルマガを発行していたり、ブログを書いたり、広告運用したり、ウェブページを修正したり、マーケティング施策してみたり。
一通りをすでに経験していたのでプラスに働いたんじゃないかなと思います。
(森山)
全て、ご自身でやられているんですね。
(坂本)
はい。
一人でホームページを立ち上げて、教育のサポートや、アドバイザー的なことを始めました。
今までしてきたそれらの経験が活きたなと思います。
運営者側って、結構ゼネラリストでないと対応できない部分があるじゃないですか。
もちろん苦手な部分っていうのはあると思うんですけど。
ある程度広くできた方がスムーズに運営ができるんじゃないかなと思います。
(森山)
はい、運営していると沢山の知見は増えますよね。
お客さんの気持ちを理解する「努力をする」
(森山)
では坂本さんがサービス運営している上で一番必要だと思うものって何だと思いますか?
(坂本)
お客さんの気持ちを理解する努力をすることですね。
気持ちを正確に理解できなかったとしても「努力」することです。
そうすれば、何となくこうじゃないかな?って感じるものがあります。
運営において、やらなきゃいけないことがたくさんある中でも、文章を作る時は本当に慎重に、言葉を選んでお客さんの気持ちを考慮して書いています。
そういったコミュニケーションの部分を丁寧に行うことが大事かなと思います。
(森山)
いやいや、本当にそれはおっしゃる通りだと思います!
そういえば、以前坂本さんの書いた本を読ませていただいたんですけど、すごく読みやすかったんです。
一日で全て読んでしまいました。
(坂本)
文章って一読して理解できた方がいいと思っていて。
でも、誤解のないように書くことも大事だなって思ってます。
読み手側からしてみると、わかりやすすぎてちょっと物足りないなと思うかもしれないですけど、
伝えたいことをちゃんと明確に誤解なく伝えるっていう意味では、ああいう文章でいいんじゃないかなと思ってます。
本当はもっとかっこよく書いたりとか、表現も工夫してかけたらいいなと思ってはいるんですがそんな才能もないですし。
(森山)
いえいえ、わたしもそういう文章をかけるようになりたいなって思っています。
ブログやメルマガのライティングって、本当に難しいです。
では、今後まなぶてらすを通じてどんなことをしたいとお考えですか?
(坂本)
そうですね。
これは、理念にも繋がりますが、まなぶてらすを通じて、生徒さん、講師の方々、それぞれが自分の可能性をさらに広げてもらって、成長できるような場所になれたらいいなと思っています。
まなぶてらすも、良い面はそのまま残しながら、今後は変わっていく部分も出てくると思います。
その時々の時代の変化に応じて、変えるべき点は変えて、あるべき教育の形を社会に提供できるよう、頑張らないといけないと思います。
(森山)
変えていくべき点という意味で、いろいろな企画をされていますよね。
オンラインレッスンが中心ですが、ピアノのオンライン発表会を開催したり。
私が参加して面白いなと思ったものでは、マインクラフトのイベントとか。
最近だと、メタバース自習室も気になっています(笑)
※まなぶてらす内のイベントや、自習室をメタバース空間で実施してみたり、面白いアイデアがたくさん!
(坂本)
ありがとうございます。
そういったものも、色々チャレンジしながら、先生たちからもアイデアを集めて、いいものがあればどんどんやってみたいです。
そして、保護者や生徒さんにも喜んでもらえるといいなって思っています。
あとは、もう少し学べるカテゴリーも増やしたいなと思っています。
どうしても地方だと、習い事とか好きなことを伸ばしたいけど教室がない、機会がないってことが多いと思うんです。
どこに住んでいても、優秀な先生から、高品質のレッスンが受けられる。
そういった場になれるよう、さらに学べる幅を広げていきたいです。
(森山)
ニッチなカテゴリーって、今は何をお考えですか?
(坂本)
今後変わるかもしれませんが、動画編集やボイストレーニング、英語以外の言語も増やしたいと考えています。
あとはAI関係ですね。
すでにプログラミング系のレッスンはありますが、そこにChatGPTなどの生成AIを使って家庭学習にどのように活用するかを学べたり、絵画やイラスト、音楽制作とか、そうした部分も広げていきたいと思っています。
(森山)
今は、受験などをお考えのお子さまが多いイメージですが、顧客層ももっと広げていくイメージですか?
(坂本)
はい、現在は、主に小学生・中学生・高校生向けのプラットフォームですが、社会人向けのレッスンも検討しています。
親が学んでいる姿を子どもに見せるっていうのは、教育的な意義があります。
ですので、保護者がお子さまの学んでいるクラスを受けることもOKですとお伝えしています。
今後は、もう少し層を拡張して、社会人向けのレッスンも考えていきたいです。
(森山)
ありがとうございます。
最後に、同じスクールを運営されている方にメッセージはありますか?
(坂本)
そうですね、こんなこと言うのも偉そうで申し訳ないのですが・・・。
まなぶてらすを7年やってきて大事だと思うのは、どうすればお客様や講師の方々にまなぶてらすを選んでもらえるのか?っていうところです。
施策ひとつでも、こうすれば皆さんが喜んでくれるんじゃないか?とか、もっと社会に貢献できるんじゃないか?って考えています。
そういった視点を持っておくことが、事業をうまく立ち上げて継続させるポイントなんじゃないかと思います。
(森山)
ありがとうございます。
まなぶてらすを見ていても、そういう想いは感じます。
本当に参考になりました!
今日はありがとうございました。
(坂本)
ありがとうございました。
素敵な講師が集まる場所「まなぶてらす」
坂本代表と初めてお仕事をさせていただいた時は、賢くてとても鋭い印象がありました。
でも、それは作りたいと思う理想のものがあったからで、本当はとても穏やかで優しい方です。
私から見る「まなぶてらす」は、素敵な講師が集まる場所です。
私も実はユーザーであるため、講師の質が高いこと知っています。
その他にも、メルマガやSNSで講師が皆イキイキしているんです。
坂本代表が目指しているプラットフォームが、どういうものなのか、本当によく理解ができます。
色々な話を聞いて、自分の理想や理念というものをしっかり持つこと。
そして、それをきちんと説明する努力を怠らないこと、改めて私も身に染みて感じました。
本当に理想的なオンラインスクール運営をされている「まなぶてらす」さん。
ぜひ、今後もご注目ください!