AI時代の私たちはどのように仕事をしていくか、一つの意見を書いてみました。

少し前に、

「AIを使う、使わないを判断することも人間の仕事である」

という記事を書きました。

そこで考えたのは、AIによって会社や仕事がどう変わっていくのか、という少し大きな話です。

AIでできることは、これから間違いなく増えていく。
だからといって、すべてをAIに任せればいいわけではない。

何をAIに任せるのか。
何を人がやるのか。
どこを効率化して、どこをあえて効率化しないのか。

それを最後に決めるのは人間なのではないか。

そんな話を書きました。

ただ、記事を書き終わったあとに、もう一つ考えるようになりました。

会社や社会の話ではなく、

私たち一人ひとりは、これからどうすればいいんだろう。

ということです。

  • AIに仕事を奪われないためにはどうするのか
  • AIに使われる側ではなく、使う側になれ
  • AI時代には、こんなスキルが必要になる

そんな情報はたくさんあります。
でも、私はどうもピンときません。

AIツールをたくさん覚えることが、本当に答えなのか。
プロンプトを書くのが上手くなれば、AI時代を生きていけるのか。

もちろん、それも役に立つと思います。
でも、もっと根本的なところに、人間の価値があるのではないか。

最近はそんなことを考えています。

株式会社ライトアップの森山(@wu_moriyama)です。
これまで、15年以上のオンラインスクール運営と、200校以上のスクール立ち上げを実施してきました。

今回は、少しだけオンラインスクールから飛び出したテーマで、書いてみたいと思います。

この記事でわかること
  • AI時代では「経験」が重要になっていく
  • 80点の情報の価値は薄れていく
  • 経験を少しずつ形にしていくのがいいんじゃないか?という意見

→[PR]スクール運営のためのシステムWTE

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」

今回の話を考える中で、一つ頭に浮かんだ言葉があります。

「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」

よく知られた言葉です。

私は、この考え方はこれまでの時代において、とても合理的だったと思います。

人間は長い歴史の中で、たくさんの成功と失敗を繰り返してきました。

なぜ成功したのか。
なぜ失敗したのか。
何をすればうまくいくのか。

それを言語化し、本や論文、記事などに残してきました。

ビジネス書も、ある意味では「歴史」だと思っています。
誰かが10年かけて経験したことを、一冊の本を読むことで数時間で学べる。
自分ですべてを経験しなくても、先人の経験から学ぶことができる。

だからこそ、

経験する前に、歴史から学ぶ。

ということには大きな価値がありました。

ところが、AIが登場しました。
ここで少し、状況が変わってきたのではないかと思っています。

「歴史から学ぶ」のは、AIがものすごく得意です

ChatGPTに仕事の相談をすると、かなり良い答えが返ってきます。

  • マーケティング戦略を考えてほしい
  • 新しいサービスを企画したい
  • 売上が伸びない原因を考えてほしい
  • 組織の問題を改善したい

聞けば、過去に人間が積み上げてきた大量の情報をもとに、かなり合理的な答えを出してくれます。

以前なら、

  • 本を何冊も読む
  • インターネットで調べる
  • 詳しい人に話を聞く
  • セミナーへ行く

そうやって手に入れていた知識です。

それをAIは、一瞬で整理してくれます。
もちろん、すべて正しいわけではありません。

でも、

過去の事例から考えれば、おそらくこのあたりが正解だろう。

という80点くらいの答えを作る能力は、ものすごく高くなっています。

そして、これからAIがさらに進化すれば、この能力はもっと高くなっていくでしょう。

ここで私は、一つ疑問に思います。

誰でも簡単に80点を出せるようになったとき、80点を出せること自体に、どれくらい価値が残るのだろう。

AIは歴史から学ぶ、人間は新しい経験を作る

そこで私は、先ほどの言葉を少し逆から考えるようになりました。

これからは、

「歴史から学ぶこと」以上に、「自分で経験すること」の価値が高くなるのではないか。

もちろん、本を読まなくていいとか、歴史を学ばなくていいという話ではありません。

むしろAIを使えば、過去から学ぶことはこれまで以上に簡単になります。

だからこそ、その先です。

AIに聞いてみる。
80点の答えをもらう。

それをもとに、実際にやってみる。
すると、全然うまくいかなかった。
0点だった。

逆に、AIからはあまりおすすめされなかった方法を試したら、ものすごくうまくいった。
100点だった。

ここに、人間が新しく作った情報があります。

やってみなければ分からなかったことです。

AIは過去については詳しい。

でも、私が明日やることの結果は、まだ世界のどこにも存在していません。
人間が行動することで、初めて新しい情報が生まれます。

そして、その情報もいつか過去になり、AIが学ぶ側へ回っていく。

そう考えると、

「AIは歴史から学ぶ、人間は新しい経験を作る」

そんな役割分担もできるのではないかと思うのです。

会社で働いている人も、実はものすごい情報を持っています

このことを考えると、会社で働く一人ひとりの見え方も変わってきます。

例えば、会社で何年も働いている社員がいたとします。
その人は、その何年間かでたくさんのことを経験しています。

  • うまくいった仕事
  • 失敗した仕事
  • お客様に喜ばれたこと
  • クレームになってしまったこと
  • 自分なりに工夫したこと
  • ものすごく嬉しかったこと
  • 悔しかったこと
  • 「なんで毎回こんな面倒なことをしているんだろう。」と思ったこと。

これって全部、その人しか持っていない情報なんですよね。

AIに、

「カスタマーサポートを改善する方法を教えて。」

と聞けば、一般的な改善方法はいくらでも教えてくれます。

でも、

今日、目の前のお客様と話して、その人が何を感じたのか。

それはAIには分かりません。
その人しか持っていない一次情報です。

私は、AIによって情報が平準化していけばいくほど、こうした情報の価値が高くなるのではないかと思っています。

だから、仕事をしながら「自分の中に残ったもの」を形にしてほしい

もし私が、これからAI時代を生きる社員に何か一つ伝えるとしたら、これなのかもしれません。

仕事をして、終わりにしない。

その仕事の中で、

  • 何を感じたのか
  • 何がうまくいったのか
  • 何がうまくいかなかったのか
  • なぜそうなったと思うのか
  • 「こうしたらもっと良くなるのに」と思ったことはないか

そんなことを、少しだけ言葉にしてみる。

大きな発見でなくていいと思います。
ちょっとした気づきでいい。

そして、もしそこに誰かの課題を解決できそうなものがあったら、形にしてみる。

  • 社内で共有してもいい
  • SNSに書いてもいい
  • 記事にしてもいい
  • 新しい業務フローにしてもいい
  • 小さなツールを作ってもいい
  • サービスにしてみてもいい

きっとどこかに、

「自分もそれで困っていた。」

という人がいます。

あるいは、

「それ、すごく分かる。」

と、その経験や感情に共感してくれる人がいるかもしれません。

自分では大したことがないと思っている経験が、誰かにとって価値になることがあります。

そして、形にするところをAIに手伝ってもらえばいい

ここまで考えたとき、ようやく私の中で、

「AIを使う」とはどういうことなのか。

が少し分かってきた気がします。

AIに全部考えてもらうことではないのかもしれません。

  • 自分が経験する。
  • そこで何かを感じる。
  • 自分なりの考えを持つ。
  • そして、それを形にするところでAIに手伝ってもらう。

例えば、

「今日、お客様からこんな相談を受けた。」

とAIに話してみる。

「私はこう対応したんだけど、これってどういう学びがあると思う?」

と聞いてみる。

  • 自分の頭の中にあるものを整理してもらう
  • 文章が苦手なら、記事にしてもらう
  • アイデアがあれば、企画書にしてもらう
  • 仕組みにできそうなら、一緒に設計してもらう

今なら、場合によってはそのままシステムまで作れます。

つまり、

人間が「原液」を作り、AIに加工してもらう。

私は、この使い方がすごく好きです。

AI時代に幸せに働くヒントは、意外とAIの外側にあるのかもしれない

AI時代について考えると、どうしても、

「どのAIを使うべきか。」
「どんなスキルを身につけるべきか。」

という話になりがちです。
もちろん、それも大切です。

でも、それだけを追い続けるのは結構大変です。

AIは毎日のように進化します。
今日覚えたツールが、来年にはなくなっているかもしれません。

だから私は、

AIを使える人になることだけを目標にしなくてもいいのではないか。

と思っています。

むしろ、

  • いろいろな仕事をする
  • 人と会う
  • 挑戦する
  • 失敗する
  • 成功する
  • 嬉しいと思う
  • 悔しいと思う
  • そこから、自分なりの考えを持つ

その方が、長い目で見れば面白いんじゃないでしょうか。

そうやって自分の中に溜まったものを、AIという強力な道具を使って外へ出していく。

そうすれば、仕事をすればするほど、

自分にしかない情報が増えていく。

これは結構、楽しい働き方だと思っています。

AIに答えを出してもらうのではなく、自分の答えをAIと形にする

前の記事では、

「AIを使うのか、使わないのかを決めるのは人間だ。」

というところまで書きました。

今回もう少し個人まで落として考えてみると、その先にあるのは、

「自分は何をしたいのか。」

なのかもしれません。

AIは、過去からたくさんのことを教えてくれます。

  • アイデアも出してくれます
  • 文章も書いてくれます
  • プログラムも作ってくれます

これからもっと多くのことができるようになるでしょう。

でも、

  • 自分が何を経験するのか
  • そこで何を感じるのか
  • 何を面白いと思うのか
  • 何を作ってみたいと思うのか

それまでAIに決めてもらう必要はないと思います。

だから、

AIに「私は何をすればいい?」と答えを出してもらうのではなく、自分の中に生まれた答えを、AIと一緒に形にする。

それが、これからのAIとの付き合い方の一つなのではないでしょうか。

AIによって一般的な知識の価値が下がるのであれば、逆に自分だけの経験の価値は上がる。
そう考えると、AI時代はそんなに悲観するものでもない気がします。

むしろ、

たくさん経験している人ほど、その経験をこれまで以上に簡単に価値へ変えられる時代が来た。

とも考えられます。

  • 仕事をする
  • 何かを感じる
  • 考える
  • 言葉にする
  • 形にする
  • 誰かに届ける
  • そこにAIの力を借りる

そんなことを繰り返していけばいい。

前の記事では「道具が増えただけ」と書きました。
だとしたら、その道具を使って何を作るのかは、やっぱり私たち次第です。

AIに歴史から学んでもらい、人間は新しい経験を作る。

最近は、そんなふうに考えています。

「私には人に話せるような経験なんてない」と思う人へ

ここまで書くと、

「でも、私にはそんな人に話せるような経験なんてない。」

と思う方もいるかもしれません。

私は、たぶんそんなことはないと思っています。

というより、

自分の経験は、自分にとって当たり前すぎて、その価値に気づきにくいのだと思います。

10年間やっている仕事なら、本人にとっては普通です。

毎日やっている業務も普通。
いつものお客様対応も普通。

でも、その仕事を明日から始める人にとってはどうでしょう。

あなたが当たり前にやっていることを、知りたい人がいるかもしれません。

「新人の頃、ここで困った。」
「最初は1時間かかっていたけど、今なら5分でできる。」
「マニュアルにはないけど、こうすると上手くいく。」
「これは何度やっても上手くいかなかった。」

そんな小さな話でいいのだと思います。

成功している必要もありません。
誰かより優れている必要もありません。
専門家を名乗る必要もありません。

自分が実際に経験したことについては、自分が一番詳しい。

まずは、それだけでいい。

そして、人に発信することすら怖ければ、発信しなくてもいいと思います。

  • 今日感じたことを、一行だけ残しておく
  • 仕事で失敗したら、なぜ失敗したのかAIと話してみる
  • 嬉しかったことがあったら、それも残しておく
  • 「これ、もっと良くできるんじゃないか」と思ったらメモしておく

そうやって少しずつ、

自分だけの経験のデータベースを作っていく。

半年後、一年後。

そこにはAIが持っていない、自分だけの情報がたくさん溜まっているはずです。

その中の何が誰かの役に立つのかは、そのとき考えればいい。
むしろAIと一緒に探せばいい。

だから最初から、

「価値のあることを発信しなければ。」

なんて思わなくていいのだと思います。

経験する。感じる。そして、忘れないように少しだけ残す。

そこからで十分なんじゃないでしょうか。

その中にきっとあなたの価値は眠っているはずです。

WTEでも、AIを使いながら新しい価値を作っていきます

私たちは、オンラインスクール向け予約システム「WTE」を提供しています。

今回書いたように、AIは答えを出してもらうだけのものではなく、自分たちの経験やアイデアを形にするための道具だと考えています。

私たち自身も、15年以上オンラインスクールを運営してきた経験をもとに、AIを使った業務改善や新しいサービス開発に取り組んでいます。

これからも、AIだからできること、人だからできること。
その両方を考えながら、オンラインスクールの新しい形を作っていきたいと思います。

WTEについては、こちらでご紹介しています。

オンラインスクール向け予約システム「WTE」

ABOUT ME
森山 卓(もりやま すぐる) ─ 株式会社ライトアップ/WTE事業責任者
オンライン英会話「ワールドトーク」を15年、オンラインレッスン予約システム「WTE」を14年にわたり運営してきた、オンラインスクール立ち上げのプロフェッショナル。自社スクールで培った知見をもとに、これまで200社以上のオンラインスクールの立ち上げに参画。桐原書店との共同学習プラットフォーム「KIRIHARA Online Academy」では事業責任者を務めるなど、出版社・大手事業者との協業実績も豊富です。 オンラインレッスンに関するセミナー登壇は10年以上、近年ではDMM英会話と共同で立ち上げ・売上アップセミナーを開催。机上の理論ではなく、実際に運営し続けてきた一次体験に基づく、再現性のある情報発信を続けています。